約 4,411,641 件
https://w.atwiki.jp/acquisition/pages/15.html
第1回更新@勝 新規登録なので初取得はありません。 初取得者 技能No. 技能名 必要技能 必要技能
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/2494.html
週刊少年ジャンプ連載の漫画。裏世界とリアリティなら僕な学習奮闘記 ストーリー 成幸は理事長室に呼び出され ただ同然で進学する代わり文乃と理珠の教育係を押しつけられてしまった。 キャラクター 唯我成幸 成績優秀で日々努力を欠かさない秀才。 振り回される燃えるメガネ。 ミートパイ文学の森の眠り姫・古橋文乃 現代文・古文・漢文が得意。圧倒的な文才を誇る。 機械仕掛けの親指姫・緒方理珠 数学・物理。実家は蕎麦屋だったと思う。 白銀の漆黒人魚姫・武元うるか 中途参戦。実は成幸の中学時代からいる。 水泳は背泳ぎが得意。 照れ隠しする真冬先生・薄氷の女王・桐須真冬 一ノ瀬学園の女教師。昔は全国大会優勝レベルのフィギュアスケート選手だったらしい。 小美浪あすみ メイド喫茶にいる。
https://w.atwiki.jp/dekinaisao/
このスレは『ソードアートオンライン』を原作とした安価スレです。 以下、簡単な注意事項。 1は安価スレは超初心者なので投下に時間がかかると思います。 『ソードアートオンライン』等の設定はお借りしていますが、 1が都合よく改変する場合があります このスレで登場するソードアートオンライン以外の設定に関しては、オリジナルですので細かい設定は考えてなかったりします。 あくまで二次創作なので細かい部分は目を瞑ってね! 書き込みは落ち着いて余裕を忘れずに。 他の参加者が失敗しても煽ったりするのはやめましょう。 楽しくやる!これ大事。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 同一IDによるあからさまな失敗等は 1の方から「参加者」として数えない事もあります。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 完結 【安価】できない夫はログアウトできないようです【SAO】 現行(2スレ目) 【安価でスカイリム】→【マーラ様はなむさん】
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/3301.html
486 名前: NPCさん 03/10/28 12 52 ID ??? システムに従ってても突き抜けると困ったちゃんになる。 「なんにもしなくたって見せ場回ってくるしー、神業使えばどうにでもなるしー、 どうせ本気で殺したりできないしー、何かあったらRL経験点やらなきゃいいだけだしー」 みたいな態度のPLと同席した時のいらつきは筆舌に尽くしがたかった。 こういう奴がコミケとかで客意識強くて周りに迷惑かけるんだよ!(?) スレ5
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/6716.html
738 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 11 05 28.57 ID ??? クリスマス?サークルの合宿だが何か? そんな合宿でのプチ困の話 合宿所までは車で行くんだが、そこが山の中にあって酔いやすい人はよってしまうような道が途中にある 困が酔いやすいからと、酔い止めを持ってきた それだけならよかったんだが、「車の中で寝るため」と言って一睡もせずに来た そのくせに車の中ではずっと喋りっぱなしで寝る気配なし 案の定セッション中に爆睡 起こされてダイス降ってまた寝てを繰り返してた 739 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 11 21 17.31 ID ??? 738 寝かせておいてやれよ。 そして放置してやれよ。山の中にでも。 740 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 11 24 26.38 ID ??? 「連れを起こさないでくれ。死ぬほど疲れてる」 741 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/12/24(土) 11 33 58.25 ID ??? 740 死んでるだろそれw
https://w.atwiki.jp/acquisition/pages/54.html
堕島雑感 3日目 書き忘れです。 勝ちましたーデュエルに勝利いたしましたっ。 完全に運なのでどう転んでもおかしくありませんでしたっ。 移動はナシで連続で魔法陣に留まりました。 ここからは歩数と周りの動きに注意して隙間をぬって行けるようにしていきます。 能力値の成長は…んーとりあえずこんな感じかなぁと。 前回生産技能の上げ忘れを考えていましたが、上げるものがなくなってきたら一気に上げることに。 というわけで、技能の熟練度を計算して行くのが現在の考えです。 まあ五回目には見た目的には完成→成長次第になるかな? 五回目以降はマナが0になると消滅するのでそこまでがボーダー。多分。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/animelonif/pages/380.html
183 息もできないほど責めたてる現実に ◆dKv6nbYMB. ―――嘘だろおい!? 燃えさかるコンサートホールの中、残された"彼"は非常に焦っていた。 同行者と結託し、ほむらという少女の懐に入り込み、血の雨を降らせてやろうと画策したところまではよかった。 ところが、だ。 精神に干渉する間もなく少女に投げ捨てられ、結託した同行者は頭を破壊されて死んでしまう。 頼りなさげな風貌の足立という男が新たに現れ、一人の少女を毒殺したかと思えば、今度はそれを契機に追い詰められて。 更には妙な力に覚醒した男が空条承太郎の隙を突いて腹を切裂いた。 "彼"の干渉する間もなく事態は転々としていくが... ―――あの野郎、なんで火なんか! 足立が放った爆弾がコンサートホールを燃やし、瞬く間に火が会場中を覆っていく。 このままでは非常にマズイ。 ただ一人残された、傷ついた承太郎に助けを求めるが... ―――お、おい、承太郎!俺も連れて行ってくれ!今回は見逃してやるから!な!? 声すら発せない"彼"に承太郎が気付くはずも無く。 やがては彼もコンサートホールから脱出してしまった。 ―――そんな!火自体は俺の能力で覚えられるからいいとして... "彼"の能力に、戦えば戦うほど強くなるという、シンプルにして強力なものがある。 その能力を生かし、触れた炎の温度を学習すれば焼け死ぬことは無くなる。 だが、ここまで火が廻れば、誰かがコンサートホールに立ち入ることは難しくなるし、誰も訪れなければ"彼"は存在すら認知してもらえなくなる。 つまり、ゲームが終了しても、永久にここに放置されることになるのだ。 ―――誰か助けてくれぇー!ヒィィィィ、孤独だよぉー! 燃えさかるコンサートホールの中、誰にも聞こえない"彼"の叫びが響き渡った。 ☆ 狡噛慎也の最期を見届けたアカメたちは、泣き疲れて眠りについたタスクと、狡噛の遺体をコンサートホール内へと運んだ。 結局、アカメたちの進路は当初と変わらず。 コンサートホールから、順に北西部にあるはずのロックを探することにした。 コンサートホールの一室に狡噛の遺体を安置すると、タスクに比べて比較的余裕のあるアカメが、単身で見回りを兼ねた探索を請け負った。 「......」 コツリ、コツリと靴が床を叩く音がする。 慣れない。 人の死は数多く経験してきた。 今までも、そしてこれからも経験していくことだろう。 しかし、仲間を失うこの苦しみに慣れることは―――決して無い。 こうしている今でさえ、タツミやウェイブ達の安否が気がかりでしょうがない。 冷静に振る舞うのは、次の戦いに影響を及ぼさないよう切り替えるためだ。 そういう方法しか、アカメは知らない。 こうして、別のことで気を紛らわすことしか...できない。 やがて、歩き続けること十分程度だろうか。 なにかに躓き、アカメの上体が崩れる。 「......?」 乱雑に置かれた瓦礫は避けて歩いていたはずなのだが、妙なでっぱりに躓いてしまった。 集中できていないのか。 そんなことを思いつつ、パンパンと両手で頬を叩き、気を引き締め直し、探索に戻る。 本来ならこれだけのことなのだが... 「......」 気になる。 先程のでっぱりが妙に気になる。 アカメは、踵を返してでっぱりのもとへと戻る。 「これは...柄?」 小さな瓦礫に挟まれて刀身は見えないが、この形状からしてまず間違いなく刀の柄だろう。 瓦礫をどけ、その正体を確認してみる。 やはり刀だ。その刃渡りは村雨に勝るとも劣らずの美しさだ。 ――――た、助かったァァァァァァ!! 突如、頭の中に響いてきた歓喜の叫び。 アカメはすぐに刀を構え、周囲に殺気を放つ。 しかし、気配はない。 ――――ヤッタアアァァァァ!天は俺を見捨てていなかったんだァ! またも響く叫び声。 再び身構えるが、やはり気配はない。 (...まさか) 刀を床に置いてみる。 すると、たちまち声は消え去った。 間をおいて、拾い上げてみる。 ――――み、見捨てないでくれ!もうこんなところで独りは嫌なんだァァァァ! 「...刀が喋っているのか」 刀が意思を持ち、言語を用いるという奇妙な現象。 既に、ルビーという喋るステッキと遭遇していたためにできた発想だった。 類は友を呼ぶ。スタンド使いは引かれあう。 言い方は様々だ。 ナイトレイドの切り札、アカメ。 呪われた刀に認められた彼女が、妖刀アヌビスを見つけられたのもまた、ひとつの運命だったのかもしれない。 ☆ 目を覚ましたタスクが行ったのは、状況の再確認。 なぜ自分は眠っていたのか、なぜ... 傍らに横たわる狡噛の遺体を見て、全てを思い出す。 「狡噛、さん...」 タスクから滴る水滴が、狡噛の顔に落ちる。 死んだ。 アンジュを喪い、タスクの最後の支えになっていた男が死んだ。 命を奪ったのは―――俺だ。 「俺が...俺の所為で...!」 もしかしたら。 もしかしたら、狡噛はあの状況でも逆転の一手を撃てたかもしれない。 もしかしたら、自分が介入しなければ、彼は槙島との決着を着けられたかもしれない。 だが、彼は死んだ。 過程や思惑はどうであれ、タスクの放ったナイフが、彼の命を奪った事実に変わりはない。 いまのタスクにできることは、ただただ悲しみに身を任せ、己の無力さに打ちひしがれることだけだった。 雪乃も新一も、タスクと同じだ。 何もできなかった。 図書館であれだけ身体を張って戦った男に対して、なにもしてやれなかった。 ただ、その死を看取ることしかできなかった。必死に名前を呼ぶことしかできなかった。 彼らにできることは―――狡噛慎也という一人の男の死を悼むことだけだ。 「...雪ノ下。ここを任せてもいいか?」 やがて、新一は雪乃の肩に手を置き、雪乃もまた返事の代わりに頷きで返す。 タスク達のいる一室から退出した新一は、ふぅ、とひとつ溜め息をつく。 『...槙島のことか?』 「わかるのか」 『なんとなく、な』 新一が考えていたのは、槙島聖護のことだ。 彼が奈落へと身を投げた時、新一の心にひとつの穴が空いたような苦しさに襲われた。 狡噛慎也を殺し、サリアの暴走の引き金となった男だというのに。 確かに憎しみや敵意といった感情はある。しかし、おそらく、四人の中で新一だけは彼の死も悼んでいた。 「おかしいよな。仲間を殺した奴だっていうのに、そいつが死んだことを素直に喜べないなんて...」 『...別におかしくはないだろう』 ポツリとミギーが呟く。 『きみもサリアを説得する時に言っていただろう。理由はどうであれ、槙島は人の心の隙間を埋めてくれる男だと』 「...ああ」 『私は人間の細かい感情はわからないが、そんな男が死んで悲しいと思うことは不自然ではないと思うがな』 「......」 『なんだその目は?』 「いや...なんでもない」 あの合理性を徹底しているミギーが、槙島の死を惜しんでいる。 放送直後に言った通りだ。 ミギーは、槙島聖護に興味を持っていると断言した。 槙島が身を投げる時、ミギーは合理性を排してでも触手を伸ばし、彼を助けようとした。 新一もミギーも、槙島を刺したアカメを責めるつもりはないし、正しい判断だったと思っている。 この件でアカメへの信頼が揺らぐことすらないだろう。 だが、それで槙島への想いが消えるかと問われれば、話は別だ。 新一の心に空いた穴は当分は塞がらないだろうし、ミギーの彼への評価も覆らないだろう。 そんな複雑な感情を抱きつつ、新一は再び溜め息をついた。 「みんなと一緒にいなくていいのか、新一」 探索を終えたアカメが、新一と合流をする。 「...いまは、ちょっとな」 「...無理はしてないか?」 「大丈夫。考え事をしてただけだから」 心配そうに顔を覗き込もうとするアカメだが、新一は立ち上がりそれを拒否。 そうだ。槙島のことは、自分とミギーだけの問題だ。 わざわざ皆に話すことじゃない。 顔を上げ、探索の労いの言葉をかけようとした新一だが。 「アカメ、それなんだ?」 彼女の手にある抜き身の刀の存在に気が付く。 探索の前までは確かに持っていなかった筈だが... 「さきほど拾ったんだ。...これについても話がしたい」 ☆ (...なんて声をかければいいのかしらね) 未だに狡噛に縋り付くタスクを見ながら思う。 雪乃は決してタスクを軽蔑している訳ではない。 純粋に、ここまで悲しんでいる人間に対してどう接すればいいのかがわからないだけだ。 彼を慰めるとき。 もしも八幡なら、自分を八つ当たり用の悪役にでも仕立てて彼の悲しみを発散させたかもしれない。 もしも結衣なら、無理にでも励まそうと奮闘するだろう。 しかし、それらは彼らの場合だ。 雪乃はあくまでも雪乃。 彼らの行動は予想できても、彼らそのものには成り得ない。 どうすればいいのか、雪乃はどうしようもなく途方に暮れていた。 「......」 やがて、タスクは立ち上がり、ごしごしと目元を拭う。 「...もういいの?」 「...ああ。いつまでも悲しんではいられない」 タスクは顔だけ振り向かせて、疲れ切った微笑みで雪乃に言った。 「それに、ずっと立ち止まってたらアンジュや狡噛さんに蹴り飛ばされちゃうよ。はやくあの広川ってバカをブッ飛ばせ、...ってね」 彼のその姿を見て、雪乃は察した。 この人は、強くて、同じくらい弱い人なんだと。 彼が無理して強がっていることは一目瞭然だ。 少し小突けばたちまちに崩れてしまうほどに不安定だ。 それでも。 そんな彼でも、雪乃の手助けなど必要なしに立ち上がってみせた。 (...結局、私は無力なのね) この場を新一に頼まれたはいいものの、雪乃はなにもできなかった。 放送の前に新一と共にアカメたちの力になると決意したのに、何にもできやしない。 誰もかれも、雪乃の手助けを必要としない。 ここにいるのは、ただ護られるだけの非力な少女でしかない。 それでも ―――新一、雪乃。これから先も、お前達の力を借りるときがくるかもしれない ―――今すぐは難しいけれど...きっといつかはあなたを頼るわ アカメの言葉と、かつて結衣に言った自分の言葉が重なる。 (もしも、私が必要とされる時が来たら、その時は―――) ガチャリと扉を開け、アカメたちが部屋に戻ってくる。 「もう大丈夫なのか?」 「...心配かけてごめん」 「いいんだ。仲間の死を悲しむのは、悪いことじゃない」 アカメが椅子に腰かけ、探索の成果を報告する―――のだが。 「アカメさん、それは?」 真っ先に目についたのは、一振りの抜き身の刀。刃渡りに関しては異常に美しいと言い表せるほどであった。 それは、常にナイフや銃火器を扱うタスクは勿論、刃物に関して専門的な知識を持たない雪乃も抱いた感想だ。 「この刀は、コンサートホール唯一の生存者だ」 アカメは語る。 妖刀から聞いた、コンサートホールで起きた惨劇を。 ☆ 「嘘だろ...」 新一は思わず呟いた。 アカメの持つスタンドの宿る刀、アヌビス神の証言では、肉の芽を埋めつけられた花京院がほむらを操りコンサートホールを襲撃。 しかし、彼は以前に襲った鹿目まどかに殺害され、更には足立透がまどかを毒殺したのだという。 ジョセフからは、花京院がDIOに肉の芽を埋めつけられている時間軸から連れてこられた可能性があると聞いていた。 その予想は的中し、最悪の事態を引き起こしていたのだ。 「...なんだか、やるせないわね」 肉の芽に操られていたとはいえ、花京院が鹿目まどかを襲っていたのは事実。 そして、まどかが花京院を殺したのもまた事実。 しかし、コンサートホールの関係者は足立以外は皆既にこの世を去っている。 誰を責めることもできず、なにが正しかったのかもわからない。 あるのは、不幸な因果が絡み合った結果だけだ。 「...その肉の芽を埋め込んだっていうDIOは、ジョースターさんもかなり危険な奴だって言っていた」 「DIO、か...」 コンサートホールで起きた悲劇を聞いたアカメは、アヌビス神を強く握る。 もしもその場にアカメが居合わせていたらどんな判断を下したかわからないが、これだけはいえる。 DIOという男は、葬らなければならない"悪"だと。 尤も、肝心のDIOは既に死んでいるのだが、それをアカメたちが知る由はない。 「しかし、足立が毒殺をしたとなると...」 『たしかペットボトルの水がどうとか言ってたような』 「ペットボトル...と、なると、これか」 アカメは足立から強奪したデイバックからペットボトルを取り出し、確認する。 『そう!たぶんそれだ!流石姐さん、手際がいい!』 「...アヌビス。お前の声は大きくて五月蠅い。もう少し静かにしてくれ」 ちなみにこのアヌビス神、触れている者にしか声が聞こえないため、皆に伝えるときは彼の言葉を意訳してアカメが喋っていることになる。 『アヌビス神といったか』 『うわっ、なんだこいつはァ!?右手が喋った!?』 『きみはジョセフ・ジョースターと同じくスタンド使いらしいが、なにか能力があるのか?』 興味深々、といった風にミギーはここぞとばかりに詰め寄る。 『そ、そうか。俺の能力を聞きたいか。なら教えてやる!俺の能力は、物質を透過することと、【覚える】こと!覚えるものは相手の攻撃!敵の斬撃・打撃、如何なる攻撃のパターンにおいても全てを覚え、この俺のパワーとスピードを増すことができるのだ!』 「...敵の攻撃を受ける度に、この刀のパワーとスピードを増すことができるらしい」 戦えば戦う程強くなる刀。 それだけ聞けば、かなり強力な力に聞こえる。 そして、そんな刀とアカメの達人の剣技が合わされば...! 新一はそんな期待を込めた眼差しでアカメを見るが。 「......」 当のアカメは、アヌビスを様々な角度から眺めているだけだ。 むしろ、新一の目が確かなら不安げな表情でもある。 「...アヌビス」 『はいよ!』 「少し確かめさせてほしいことがある。...新一、ミギー、手伝ってくれ」 アカメが席を立つと、それにつられて、首を傾げつつ新一も立ち上がる。 「ミギー、剣術の立ち合いはしたことがあるか?」 『実際におこなったことはないが...アヌビスの性能をテストするつもりか?』 「そうだ。実際に確かめてみないとイマイチ実感できない」 『了解だ。攻撃の速さは?』 「一刀ごとに速くしてくれ。それと、私が合図をしたら一旦止めてくれ」 ミギーが両手を剣に変え、それに対してアカメもまた普段の戦闘態勢をとる。 『フッフッフッ...この圧倒的なパワーを実感して腰を抜かすなよ』 「始めてくれ」 『わかった。シンイチ、きみはあまり動くなよ』 新一が頷くと、ミギーはゆっくりとアカメに斬りかかる。 アカメがそれをアヌビスで受けると、次いで逆側の刃で斬りかかる。 アカメが再びそれを受け、再びミギーが逆の刃で斬りかかり、アカメはそれを受ける。 それらを交互に繰り返しつつ、徐々にミギーの速さが増していく。 動じることなく、アカメはそれをアヌビスで捌き続ける。 『どうした、そんなもんかァ!?』 得意げにミギーの攻撃を捌くアヌビス神(アカメ以外に彼の声は聞こえないが)。 ブラッドレイほどでは無いとはいえ、雪乃のような一般人では反応できない速度での攻撃を捌けるのは、流石に実力を自負するだけはある。 と、思いきや。 「...?」 アカメの様子がおかしい。ブラッドレイとあれほどの猛攻を繰り広げた彼女の顔が、明らかに焦燥を帯びている。 疲労が溜まっているのもあるのだろうが、それにしてもここまで必死になるだろうか。 「―――そこまでっ!」 アカメが叫ぶと同時に、ギィン、と甲高い音が鳴り、ミギーの刃の動きも止まる。 「アカメ...?」 息を切らしながら、アカメは片膝を地に着ける。 『どうだこのアヌビス神の力は!?この俺さえいれば、どんな敵にもゼ~~~~~ッタイに、負けなァい!』 「...すごく使いづらい」 『そうだろうそうだろう、やはり使いづらい...え?』 アヌビスは己の耳を疑った。 いま、アカメはなんと言った。 このアヌビス神を、使いづらいと? 「...お前の重さや硬さが一刀毎に変わるのが非常に厄介だ」 『え?』 アヌビス神の学習能力。 それは、如何なる攻撃においても、そのパワーやスピード、攻撃パターンを憶えることである。 しかし、覚えられるのはアヌビス神だけであり、使用者に伝染はしない。 ミギーの攻撃を捌いていたのは、全てアカメの実力であり、アヌビス神の力ではない。 アカメは歴戦の殺し屋である。 帝具村雨以外にも様々な刀は使ってきたが、しかし一太刀受ける毎に重量や硬度が変化する刀など使ったことがない。 慣れない刀を扱うには、剣の重さや切れ味に慣れるといったそれなりの経験値が必要なのだが、アヌビス神の能力はそれを許さない。 慣れようとする傍から、重量から硬度、切れ味に至るまでが変化してしまうのだ。 そんな刀を振るえば、その度に誤差が生まれ、速い攻撃に耐えることができなくなってしまう。 これを完璧に扱うなど、アヌビス神本人以外には不可能だろう。 つまり。 「お前がいくら強くなろうとも、私がついていけなければ無意味だ」 アカメとアヌビス神の相性は最悪だった。 「お前のその覚える能力、発動しないようにすることは出来ないか」 『そ、そりゃあ、出来なくはないけどよ...』 「たぶんそっちの方が使いやすい。変えてくれるか?」 『わかったよ...』 絶対の自信があった己の能力が、使いづらいとあっさりと切り捨てられてしまった。 これでは透過能力を使えることを除けばただの喋る剣だ。 アカメの同意さえあれば身体を操れるようだが、信頼関係もなにもない現状では難しいだろう。 自らのアイデンティティーを減らされたアヌビス神は、しぶしぶと溜め息をつくが、それを知るのはアカメのみだ。 アヌビス神の能力の確認を終えたアカメは、椅子に座りこれからの進路を話し合う。 『これからの行動だが、私は当初の予定通りにいくべきだと思う』 「ここから北をしらみつぶしに探しに行くルートだな?」 『ああ。現状、ロックの場所がわからない以上、それが確実だ』 「ロック...?」 「タスクは知らなかったか。俺たちはヒースクリフって人から聞いたんだけど、なんでも南東、南西、北西エリアのどこかに地獄門のロックを外す鍵があるらしいんだ」 「地獄門って...この一番右端の?」 「ああ。ここを解除することが、このゲームから脱出する鍵になる...かもしれないってさ」 『一応、きみたちの意見も聞きたいが...どうだ?』 「私は構わないが」 アカメに続き、新一、雪乃、タスクの順番に、肯定の意を示す。 『...わかった。では、ここをもう少し探索したら次の施設へと向かおう。...だが、その前に』 皆が席を立とうとする中、ミギーがタスクの名を呼び止める。 『狡噛慎也のことだ』 「......」 『首輪の解除は、我々の生存の上で必須条件といえる。そのため、ひとつでも多くのサンプルが必要だ』 「...首輪の回収、だな」 俯いたまま答えるタスクに、ミギーが沈黙で肯定する。 「俺もいつまでも子供じゃない。いまはそれが必要なことくらいはわかっているつもりだ」 『ならば話は早い』 「けど、それは俺にやらせてくれ」 強い口調で。先程まで泣き腫らしていた男とは思えないほど、真っ直ぐな目でミギーを見据えて言う。 「俺は、狡噛さんを護れなかった。だから、そのことを絶対に忘れないために...俺が、やらなくちゃいけないんだ」 『...そうか。ならば後はきみに任せる』 ミギーは、賛同も反対もせず、ただそれだけを告げた。 ミギーは人間の感情を全て理解しているわけじゃない。 ただ、ここまでタスクが強く主張するなら、彼に任せた方がいいだろうということだけはわかっていた。 「...使え、タスク」 アカメが、アヌビス神をタスクへと手渡す。 ナイフを使って切断するよりは簡単に切れるだろう。 アヌビスを受けとったタスクは、横たわる狡噛のもとへと歩み寄る。 「...雪ノ下」 「いいえ。私も見届けるわ」 首を切断する一部始終を見せまいと、新一が雪乃を部屋から連れ出そうとするが、雪乃はそれを拒否。 「どんな犠牲の上で私が生きているのか、なにも知らないままは嫌だもの」 その強い意思の宿る瞳を見れば、新一はそれ以上引き留めようとはしなかった。 三人が見守る中、タスクは狡噛の傍らに立つ。 「...狡噛さん」 しゃがみこみ、アヌビス神をそっと喉元に当てる。 『そのまま押し込めばあっさり切れるからな。あまり力は入れなくていいぞ』 「...気遣ってくれるのか?」 『早くここから出たいだけだっての...ああイヤだ。恐ろしい』 それが建前か本音かはわからないが、その言葉だけは受け取っておく。 「......」 かけたい言葉も、言わなくちゃいけない言葉もたくさんある筈なのに、なにも思いつかない。 だから、タスクは一言だけ。 「―――ごめんなさい」 首を切裂き首輪を回収すること。 護れなかったこと。 狡噛と槙島、二人の問題に割って入ってしまったこと。 それら全ての謝罪の言葉と共に、タスクは狡噛の首を斬りおとした。 タスクは狡噛の首輪を回収し、アヌビス神をアカメへと返す。 (俺は、必ずこの腐ったゲームを壊します...だから...!) 首輪を握りしめ、タスクは心中に誓う。 アンジュを、モモカを、サリアを、狡噛を死へと追いやったこの殺し合いを完膚なきまでに破壊すると。 ――――だったら、食らいつけ。 狡噛の声が聞こえた気がした。 違う。 これは、きっと自分に都合のいいただの幻聴だ。 それでも。 ――――お前の執念で、奴らの喉笛を引き裂いてやれ。 背中を押すその声は、とても頼もしく思えてしまった。 【D-2/コンサートホール/一日目/真夜中に近い夜中】 【アカメ@アカメが斬る!】 [状態]:疲労(絶大)、ダメージ(大)、頭部出血(中、止血済)、頬に掠り傷、全身にかすり傷、奥歯一本紛失、顔面に打撲痕 [装備]:アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース [道具]:基本支給品一式、水鉄砲(水道水入り)@現実、鉄の棒@寄生獣、ビタミン剤or青酸カリのカプセル×7、毒入りペットボトル(少量) [思考] 基本:悪を斬る。 1:北西の方に向かいロックを探索する。 2:タツミとの合流を目指す。 3:悪を斬り弱者を助け仲間を集める。 4:村雨を取り戻したい。 5:血を飛ばす男(魏志軍)と御坂と足立は次こそ必ず葬る。 6:エスデスを警戒。 [備考] ※参戦時期は不明。 ※御坂美琴が学園都市に属する能力者と知りました。 ※ディバックが燃失しました ※イリヤと参加者の情報を交換しました。 ※新一、タスク、プロデューサー達と情報交換しました。 ※コンサートホールの一件、足立の持っていたペットボトルが毒入りであることを知りました。 【アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 0:とにかく生き延びたい 1:とりあえずいまは助けてくれたアカメに従う。 2:DIO様に会ったら...どうしよう。 ※500年前この剣を作った刀鍛冶のスタンドが剣に憑りついたもの。 主な能力は以下の三つになります。 物質を透過して、斬りたいと思った対象だけを斬ることができる 一度受けた攻撃を憶え、その度に力と速さが強化されていく 精神を乗っ取る ※アヌビス神の制約は以下の通りです アヌビスが精神を乗っ取れるのは、対象の合意があるか、気絶している時だけ。 アヌビスの精神が表面化している時の記憶は対象者の精神が戻ったときも引き継がれる。 精神を乗っ取れる時間は10分。また、連続して乗っ取ることはできない。その10分間は身体の所有者はアヌビス神の精神を押しのけることはできない。 通り抜ける力は使用可。 ※参戦時期はチャカが手にする前です 以下の制限が新たに発覚しました。 最初の学習から一定時間(約5分)を過ぎると、それまで覚えたものを全て忘れ、最初の強さに戻ってしまう。 首輪が鍔の部分についており、無理に外そうとすると爆発する。首輪ランクは3。 覚える能力のON/OFFは可能。OFFにした場合、最初の強さに戻ってしまう。 【泉新一@寄生獣 セイの格率】 [状態]:疲労(大)、出血(止血済み)、横腹に刺し傷、ミギーにダメージ(小) [装備]:なし [道具]:基本支給品一式×2、ランダム品0~1 消火器@現実、分厚い辞書@現地調達品、 [思考・行動] 基本方針:殺し合いには乗らない。 1:北西部のロックを探索する。 2:後藤、血を飛ばす男(魏志軍)、槙島、電撃を操る少女(御坂美琴らしい?)エスデスを警戒。 3:ホムンクルスを警戒。 4:サリア……。 5:イリヤって確か、雪ノ下達が会った……。 6:余裕ができたら指輪やロボットも探してみる。 7:黒って人とも合流した方が良いのか……。 [備考] ※参戦時期はアニメ第21話の直後。 ※新一、タスク、プロデューサー達と情報交換しました。 ※ミギーの目が覚めました。 ※コンサートホールの一件、足立の持っていたペットボトルが毒入りであることを知りました。 【雪ノ下雪乃@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】 [状態]:疲労(大)、精神的疲労(極大)、友人たちを失ったショック(極大) 、腹部に切り傷(中、処置済み) [装備]:MPS AA‐12(残弾4/8、予備弾倉 5/5)@寄生獣 セイの格率 [道具]:基本支給品、医療品(包帯、痛み止め)、ランダム品0~1 [思考] 基本方針:殺し合いからの脱出。 1:北西部へと向かいロックの探索をする。 2:比企谷君……由比ヶ浜さん……戸塚くん…… 3:イリヤが心配。 [備考] ※イリヤと参加者の情報を交換しました。 ※新一、タスク、プロデューサー達と情報交換しました。 ※槙島と情報交換しました。 ※コンサートホールの一件、足立の持っていたペットボトルが毒入りであることを知りました。 【タスク@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(大) 、アンジュと狡噛の死のショック(超絶大)、狡噛の死に対する自責の念(超絶大)、後悔(超絶大) [装備]:刃の予備@マスタング製 [道具]:基本支給品、前川みくの首輪 、狡噛慎也の首輪、サリアのナイフ [思考・行動] 基本方針:アンジュの騎士としてエンブリヲを討ち、殺し合いを破壊する。 0:北西部へと向かいロックの探索をする。 1:アンジュを探し、弔いたい。 2:エンブリヲを殺し、悠を助ける。 3:生首を置いた犯人及びイェーガーズ関係者を警戒。あまり刺激しないようにする。 4:ブラッドレイと遭遇した時は穏便に済ませられないか交渉してみる。 5:御坂美琴、DIOを警戒。 6:エドワードから預かった首輪を解析したい。 [備考] ※未央、ブラッドレイと情報を交換しました。 ※ただしブラッドレイからの情報は意図的に伏せられたことが数多くあります。 ※狡噛と情報交換しました。 ※アカメ、新一、プロデューサー達と情報交換しました。 ※マスタングと情報交換しました。 ※不調で股間ダイブをアンジュ以外にするかもしれません。 ※エドワード、杏子、ジョセフ、猫(マオ)、サファイアと軽く情報交換しました。 ※コンサートホールの一件、足立の持っていたペットボトルが毒入りであることを知りました。 時系列順で読む Back 白交じりて、禍津は目覚める Next 魂の拠り所(前編) 投下順で読む Back 魂の拠り所(前編) Next この情熱、この衝動は、自分を壊して火がつきそうさ 180 望まれないもの(前編) アカメ 191 寄り添い生きる(前編) 泉新一 雪ノ下雪乃 タスク
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2001.html
※直接的では無いですが、グロテスクな表現が一部あります ※東方原作キャラが登場します ※かなり勝手な解釈と妄想で書かれているので、そうしたものが苦手な方はごめんなさい ゆっくりれいむは、ポヨポヨとその鈍重そうな全身を、警戒に弾ませながら、夜の森を突っ切っていく。 ルーミアはそれにあわせて最初は歩いていったが、次第に追いけなくなり―――軽く浮遊しながら 後を追っている。中々疲れる姿勢だ。普段は全く通らない場所なので、軽い不安も感じる。 大分時間が経ってから、彼女は今しがた飛んでいた場所が魔法の森だった事に気がつく。続いて、 ゆっくりれいむについていくため構っていられなかったが、木々の間に見慣れない人間の姿を覚え――― 森を抜け、小道を通り―----歩を止めたかなり先に、木に囲まれたこざっぱりとした空間を見つけ、 彼女は軽く悲鳴をあげそうになった。 「無縁塚」―――人妖問わず、最も危険とされる一画である。 ゆっくりれいむは全く動じていないが、外界との境が最も曖昧で、何が起こるか解らない場所。試しに 行ってみた妖怪の知り合いは、自身が保てなくなる感覚 と言っていたし、実際に帰ってこなかった奴も いる。 それを察した訳ではないと思うが、ゆっくりれいむはそこで歩を止め、ルーミアに待っているように伝えると、 近くの茂みに入っていった。 残されたルーミアは、先程の自分の恐怖感について新た得て考えてみた。 人間と妖怪の違いとは何だろう? 端的に言って、「自分以外の都合を考えるか考えないか」だと、ルーミアは思っている。 蔑視ではなくとも、単純に個体の人間の基礎能力は、単体で自然界を生き延びるのにはあまり適して いない。だから、集団を築く必要があるし、そこでは自身の都合だけを優先できない事は想像がつく。 しかし、妖怪にはそれがほぼ必要ない。 何故なら、一人で生きていきえるからだ。 これには妖怪達自身にも様々な解釈があることと思うが、彼女はこう考えて、ずっと一人で群れもせず 生きてきた。 随分昔に、外の世で度が過ぎるほどの力をもった人間はある程度いたが、権力としても精神的にも 肉体的にも、上を行きすぎる連中は周りの都合を考えなくなくなる奴は多かった。「鬼悪魔」「怪物」と、 連中は時折同じ人間からも呼ばれるのだが、それはルーミア達の別称でもある。 山の天狗連中がやたらと組織だっていたり、河童の奴等に人間に愛想のいい奴等が多いのは、鬼なんて いうやたら強い目の上のタンコブがあったり、地上での連中が弱いせいだろう。 今まではそう思っていた。 「ほら、見てごらん。怖いけど沢山集まっているね」 よく周りを見渡すと、無縁塚を遠巻きにするように丸太が転がっていて、それぞれまばらに人妖入り乱れて 座っている。その中でも、大きな鎌を担いでいる紅い髪の少女がいて、見ていると非常に不安になる。 声の方を見ると、ゆっくりれいむが藪の中から出てくるところだった。口で何かを咥えていると思ったら、同じ サイズの丸太だった。恐るべき顎の筋力? 唖然としながら眺めていると、ゆっくりは丸太のやや中央に陣取り、ルーミアに向かって、もみ上げを部分を 器用に動かし、ポンポンと丸太を叩く。座れという事なのだろう。 少しは恐怖も和らぎ、肩の力も向けた。恐らく、正気を保っていられる領域の先端部分にいるのだろう。 それに、隣で何故か自信満々に踏ん反り返っている、ふざけた顔の生首のせいかもしれないが…… 「これでも食べててね」 更に何処に隠していたか、ゆっくり霊夢は血最中紙袋を一杯に入った白くモヤモヤした酷く不健康そうな 菓子を勧めてきた。 2.3口食べると、それもまたうまかった。甘いものが続いていたので、ちょっとした塩味が嬉しい。 やはり、しょっぱいものの方が性に合っているのだろう。 あの時もそうだった。 先程、ゆっくりれいむに語った告白を自分で反芻する。 巫女さんに満身創痍にされてから、何とか立ち直り、すきっ腹を抱えて森の近辺をウロウロしていたら、 夕暮れ時に人間を見つけた。服装から外来人だろう。そのまま躊躇い無く殺して死体を運んだが、 やはり体力は戻っておらず、人家の裏手を見つけたので、そこにもたれかかって休んだ。火でもそこに借りて こようと思ったら、そこが神社である事に気がついた。 と、言うか、あの巫女さんが来た。 混乱してしまって、死体をコンパクトに無理やり折り畳み、「これは外の世界の奴だ」「夜中にこんな所を 無防備にほっつき歩いてるから食べた」「この前あんたに叩きのめされて、腹が極端に減っている」―――― といった事をまくしたてた。問答無用で叩きのめされると思った。今度はまさに現場であるし。 そこからが、予想外だった。 巫女さんは、最初から相変わらずやる気の無さそうな顔をしていたが、死体を確認すると軽く眉をしかめ、 困ったように頭をかき、少し考えた挙句、嘆息気味にいったのだった。 「――――飢えてるのは見りゃ解るわよ。………そういう事は、少なくとも私のいない所でやりなさいな」 思わず、抱えていた死体の上半身を落とした。 「あんたは妖怪。こっちは一応人間なんだから」 巫女さんは、何の感情を込めたのだろう? 気まずさ、あきらめ、呆れ、哀れみ(これはかなり強い)――――人間はたまにただの汁にとんでもない量の エッセンスを込めて煮詰めた料理を作ってしまうが、それに近い。 怒り、はあまり無かったように思えた。 今、隣でゆっくりれいむはつぶらならな瞳で無縁塚を眺め、何かを待ちわびている。 この間抜けながらも可愛い顔と、あの尾により怖い巫女さんは全く違うか、ルーミアはなんとなく話しかけて しまった。 「こっちの都合を、あの人は考えてくれたの」 ようやくそう解釈できたのは、随分後になってからだった。 「退治されるかと思ったのに、そのまま帰っちゃって」 ―――一方的に退治される覚悟ができてしまうほど、あの人間は強い。 今まであったことも無い程。 それは確かに、自分達の様に四肢を?がれてもそのうち再生するような体ではないが、周囲の都合を考え なくてもいいレベルのはずだ。 にも拘らず、他者に、しかも天敵である自分の事を理解していて、配慮までしてくれた。 助かった、 と嬉しかったのはほんの一瞬だけ。 すぐに、今まで味わった事の無いいやな気持ちが全身に広がった。 屈辱感と考えたが違う。 もう、食べる気も起きなくなって、(申し訳ないとは思いつつも)死体はそこに措いたまま帰り、その日は震えて 眠った。 今でも思い出すと体が震える。 「それからかな」 人間を食べるのが、極端なほど面倒に思えてきた。 本当は、面倒なのじゃないかもしれない。 あの後、色々な妖怪にそれとなく相談をした。誰も彼女を責めないとどころか、元々閻魔様が人間を襲い 食らう事を推奨してるくらいだと伝えたし(同時に人間に退治されることも推奨されているから、考えなくても 残酷すぎる話だ)、本当に正統な行為だと胸を張っていいくらいのはずなのだ。 だが、何かがひっかかり、面倒と思えてしまう。 「何より、よく解らないけど」 周囲の妖怪と人間もこの悩みを誰一人想像ができない――――のは他人の都合を考えられないよう価値と、 非捕食側の人間なのだから当然だが――――ばかりか、意図せぬイメージを彼女に抱いている。 共通して、食い意地の張った肉食獣と第一に思われ、妖怪からは、前にも言ったが「極悪非道」「冷酷無比」 人間からは「バカ」「何か面白い奴」と思われている。 確かに一面ではあるが、本質ではなかろう。 「何なんだろうね………?」 自嘲気味に初めて笑って見せると、ゆっくりれいむは小刻みに震えていた。 「い、言えない…………れいむもルーミアちゃの事を、 『苦手な野菜はありますか?』 とか店員に聞かれても 『全部』 と答えて困らせたり、居酒屋でホッケとか注文して 『年取ったらやっぱり肉よし魚でしょ』 って言う年配者に対して 『そういう事言う奴の事が未だに理解できません』 とか返したり、料理でも唐揚げとか上手く作るんだけど、内臓処理とか巧にしかして、胴体部分だけジュワっと 揚げて顔の部分は生身だから 『これ技術的にすごいけどキモい』 って周りがひく中、よく見たら食材が目を開けていて、 『内臓は傷つけてないから、唐揚げになりつつもまだ生きてるのだー 新境地の生け作りなのだー』 とかケラケラ笑いながら一人で胴体を食べたりする子だと思ってなんて………」 プルプル プルプル 「ぜ、絶対に口になんて出せない!!!」 「えっと………」 れいむ「も」という事は、まあ大抵の人間や妖怪が思っている印象を同じく「バカ」とか「大食らい」とか、ルーミアに対して 抱えていたという事だろう。 しかし例えが何を言っているのか解らなかった あの巫女さんは、自分の事を堂思っているか。単なる下っ端のその他妖怪としか思っていないだろう。 それでも、。あの時、自分の都合を考えてくれた巫女さん。それを思い出すと…… 「あの蛮族巫女の事だから、多分その時は単純に面倒くさかったか、眠かっただけだと思うんだけどなあ」 「……そんな事、ないよ」 「実際、外からきた人だったし、もう既に死んでたからかな?」 「・・・・・・・」 「しかしとは言え、ただでさえ、学校に校則違反の漫画を持ち込んだのを」 段々ゆっくりは気難しい顔になっていった。 「没収すると同時に自分もその漫画のファンだって事をそれとなくほのめかすような教師みたいな奴だなあ」 「えっ?」 「元々奴は人間にも妖怪にも無関心であり続ける存在だったはず。なのに奴の内面から何かしらがにじみ出ては、 こういうルーミアちゃんみたいな悩める存在を作ってしまうんだね。まったく] 何を言っているのか解らない。 しかし、妖怪人間を問わず、あの巫女さんに魅かれる人は多いはずだ。 が、ゆっくりは最初の間抜けな顔に戻って言った。 「ルーミアちゃんは、幻想郷(ここ))が好き?」 「ん?」 考えた事は無いが、率直に言って好きだ。それは周囲の奴等も創だろう。不満や恐怖や面倒はあっても、きっとそうだ。 相当大昔に食べてしまった、人里の人間の一人も、動揺だっただろうと思う。 「ここは、普通の人間から人食いも、強い奴も弱い奴も、本当はセットにしちゃいけないかもしれない存在まで 一緒くたになって生活しなきゃ生けないんだから、危険物も子ゴロゴロ転がって、スネも傷だらけの奴等だけだね」 「残酷だネエ」 「―――――その分『あんたはそのまんまでいい』って、れいむはいってあげられるよ!!!」 誰かに一々言われなくてもだ。 「それに何でも受け入れるって言っても、多少の『選別』みたいなフィルターはあると思うんだよ。だから――――」 食べられる外来人や、たまに出る人里の犠牲者、恵まれない生活を続ける下っ端の妖怪達には、本当悪いけど、と 付け足したのが、何かほっとすると同時に気持ち悪い。 何より気持ち悪いのは、諸ン乃僅かながら自分の気持ちも落ち着いてきていること 「あの私のニセモノ巫女が、子供が隠し持っていたエロ本を取り上げると時に『御母さんにはないしょだぞ』とか言ってしまう 父親のような真似をして、かえって子供を不安にさせて利う事も、きっと意味があったんだね…」 あのたらしが全く…とゆっくりは呻いているが、また何の例えなのか解らなかった。 気持ちは何となく落ち着いてきているので、本当の意味を知ってそれを一々覆すのはなにやら怖い。 「と、ここまでは良いこの模範解答」 同時に、周囲から感性が上がった、 ゆっくりハ前方をまた見据えている。 暗い中、何故だがよく見えてしまう無縁塚 そこに―――――いつの間にか、薄い膜 が張られている。 どこに固定されるでもなく、綺麗で美しく薄いものがそこに広がっている。 竹林の展覧会で、遠くの景色を千里眼でも使っているように映し出す機械を見たが、あれに非常に近い。 「ゆっくりみていってね!!!」 「何これ……?」 「実は、れいむにもわからないよ! だけど、一番現実に近い、歪が良く起きる場所だから、どっかで紛れ込んだ情報が こうして広がるのかもしれないね」 「????」 そこに―――――映し出されたのは 1 :名前が無い程度の能力:2010/05/14(金) 21 29 20 ID EMgXBLsk0 _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人_-''" `''> ゆっくりしていってね!!! <ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ 「あんたじゃない!!?」 「そう、れいむが主役の上映会だね!!! 楽しんでね!!!」 向かって左側は、あの巫女さんとよくいる、白黒だった。線画だと思っていたが、どうやら高度に組み合わせた文字の集合体 らしい。誰が描いたのかはしらないが、凄まじい労力であっただろう。 この一種類だけではなく、様々なキャラクターが、同じ様に描かれて登場していく。驚いたことに、どれもが自分の知っている 連中だった、少し前に山にやってきた神様二人までいる。麓も秋頃に出てくる連中も(と、いうかこいつ等が何故だか一番主役 異常に目立っている』。 いつしか、文字の組み合わせで作られた幻想郷の住人達は、一つの物語を幕の中で作り出していた。 物語、という程ではないかもしれないが、登場する文字列一つ一つが意味を持って、それに関連したものが作られていく様子は、 まるでそれが生きているかのよう。 その内容も、実に奇奇怪怪。予測はことごとく遮られ、見ている途中で、真面目に解釈する事をあきらめざるをえなかった。 何者かがこうしたものを作っているのだろうか?空恐ろしくすらなる。 夢中で眺めていると、割と良く会う氷精や黒猫も顔を出した(割かし見た目少女っぽい連中ばかりが登場しているらしい)。 そして、内容もさることながら、出てくる連中が皆可愛い。 ふっくらとした曲線(?)で描かれ―ー―――それは、横のゆっくりれいむ のような生意気な愛らしさだった。 そして―――― 「あ。」 「ほら、ルーミアちゃんの出番だよ」 彼女には、そろそろこの生首の正体が、言葉では表現できずともそれとなく解り始めていた。不可解だらけの、生意気な生首が いつしか、あの巫女さんとは名前の発音だけが同じなのでは無い気がしていた。 ,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__ / //`ー´ / , ヽ!_/ヽ i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´', ! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ) ! | | | !7"" ,___, "" | .| | _.| 人. ヽ _ン .| | i |_ (、/ ̄|>.、.,___ ,.イ ̄ ̄ ̄/つ ) ~ヽ |ヽV ノ i___|/  ̄ ̄ゝ ∞ ヽi /ヽ_______ ノ ゝ / 、ノ ヽ_,_,_,_,_,_,_/ヽ ~~ ~ し´ ヽ_ノ ~ ~~ この絵物語(?)の主人公は、ゆっくりれいむとあの白黒なのだが、殆どすべて者があの二人と何かしらマヌケなことをやっては皆を 楽しませてくれている。 生き生きとしている。 自分も、あの幕に映る物語の中で、れいむと触れ合う事ができないかと思ったが――――それは中々訪れない。 彼女は何故か、あの有名な恐ろしい亡霊と、冬にしか出てこない奴(何故か極端に太めに描かれている)と一緒にいた。何かをいつも 食べている事が多く――――ここでもやはりそのイメージが先行しているらしい。 しかし 「よくわからないけど、 れいむ達、ゆっくりの性格って、正反対だったり、ちょっとした特徴をやたら極端に広げちゃってるんだよね、みんな」 「うん………だけど」 そこまで悪い気分ではない。 結構面白かったのだ。 気がつけば身を乗り出していた ややあって―――― ,. '"  ̄ ~ ̄~`ヽ、ユッ ,' \ i (ヒ_] ヒ_ン ) i .,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__ !"" ,___, "" i / //`ー∠ ',. ヽ _ン ./ / , ヽ!_/ヽ / \,. ,.ノ .i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´', ─ ユッ ',' ,ノ .! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i \ ヽ (´ レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ! | | . ) ., ) | !7 | .| | . ( ( (⌒` o | | i | ! .  ̄ ~~~・==7ヘ>.、.,___ ,.イヘ,/ヽ.ハ/ .( Yヽ, ,.-ィ二V二ヽ.  ̄ヽ/ ./ /∞! ハ \ ̄Y !  ̄ /'´ ! `ー''! / | 〉-,-r-〈 .____.! / / i !__ンヽ、 __ _____ ______ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 ○ 'r ´ ヽ、ン、 -+- ヽ ,'==─- -─==', i /│ヽ / i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| .,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |/ //`ー∠ L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| , ヽ!_/ヽ | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /.i/ i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´', レ ル` ー--─ ´ルレ レ´.! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ! | | . | !7 ,___, | .| | . ∬ (⌒`ヽ ヽ _ン | | i | . ・==7ヘ>.、.,___ ,.イヘ,/ヽ.ハ/ .( Yヽ, ,.-ィ二V二ヽ.  ̄ヽ/ ./ /∞! ハ \ ̄Y !  ̄ /'´ ! `ー''! / | 〉-,-r-〈 .____.! / / i !__ンヽ、 . ’ ’、 ′ ’ . ・ 、′・. ’ ; ’、 ’、′‘ .・” ’、′・ ’、 、′・ ’、 ’、 ’、′ ’、 (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”; ’、′・ ( (´;^`⌒)∴⌒`.・ ” ; ’、′・ 、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人 ヽ レ、(⌒ ;;; ;´'从 ;' ; ;;) ;⌒ ;; ) )、 !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ .,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__ / //`ー∠ / , ヽ!_/ヽ / .i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´', ─ ! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i \ レヘ/ i(◯), 、(◯) ! | | | !7 ,rェェェ、 | .| | (⌒` |-r-r,| | | i | ! ・==7 、 .`---´ イヘ,/ヽ.ハ/ .( Yヽ, ,.-ィ二V二ヽ.  ̄ヽ/ ./ /∞! ハ \ ̄Y !  ̄ /'´ ! `ー''! / | 「…………」 「…………」 「まあ、きれいなままではいられないね 汚れ役もやらなくちゃ」 確かに、数も多いブ分、基本的にコミカルに描かれてこそいるが、中には本気で残酷だったりグロテスクな絵もあった。 れいむは別段それを見て気に病んでいる様子は無い。幕の中では、亡霊と冬の奴と、ルーミアがやせ衰え、どこぞの天人とか言う 小娘の帽子についている桃を食べて正気を取り戻す話が移っている。 観客は大爆笑だ 「れいむは、これはこれで好きよ?」 「そう………なの?」 「そこは『そうなのかー』っていってほしいね……… 大抵変な奴として描かれてるけど、まあ皆悪意があるわけじゃなし」 絵物語は更に進み、あの鎌を持った不吉な女も現れていた。そして、仕事をサボり閻魔様に思い切り折檻されている。本人も 気まずそうだが、ニヤニヤ笑っている、 「それが本当じゃなかったとしても、たった一部でも――――」 「うん」 「みんなが『こいつはこーだ』『こういうところがすき』って部分をね 自覚して演じちゃうとか」 「――――逆に、それとは全然別の事をやってみるとか」 それは 「けっこうたのしいのよ?」 何者が見ているのか解らないが――――この世界自体や、自分も今日助けた子供も、あの巫女さんも、大きな物語の一部なのだろう。 ゆっくりれいむもまた、自分の都合や気持ちを考えてくれた存在だった。 恐ろしくもあったが、少しだけ、ルーミアは安心できた気がした。 ただ、やはりあの巫女さんの事については胸に大きなしこりが残る。 寂しさを抱えつつも、身を乗り出して見ている内に、ほんの少しずつ夜は明けていくようだった。 それにあわせて、無縁塚の膜も消えていく。 「ゆっくり頑張って考えてね」 横を見ると、 もう、そこにはゆっくりの姿は無かった。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 夕暮れ 森の中 彼女は、浮遊せずに、歩いている。 ゆっくり、ゆっくりと、一歩ずつ確かな足取りで。 妖怪にも、大きな意志力を与えてくれるものがあって―――――― 使命感、だろうかこれは。 鬼達みたいな生活についてまわる上司がいる訳でもないのに、例えば湖近くの館の門番などは、なぜ律儀に あの仕事を勤めているのか解らなかったが、今では少し理解できる気がした。 彼女は、あの神社の裏手に向かっている。 小脇には、人間を一人抱えている。 農作業から帰ってくる所を、襲った。 恐らく主婦だろう。 気絶しているから、暫くは目を覚ますまい。 起きたら置田で、また眠らせるつもりだ。 西日が随分強い。 歩いて、人間を一人抱えるのは重くは無いが煩わしかったし、道のりはかなり遠かった。 いつの間にか、声に出ていたらしい。 「殺してやる」 もしかしたら、目付きがかなり変わっているかもしれないが、自分では解らない 続いて言った。 「食ってやる」 誰も聞いていないのに。 彼女は、この二言を定期的に口に出していた。 義務感からではない。 何かに命令されてやっている訳でも、「仕事だから」と割り切っている訳でもない。 自分の意志によるものである。 あのゆっくりれいむとかいう、解るようで最期まで本当の正体が解らなかった生首は、この状況を見てどう思うだろうか? ほめてはくれないだろう。 叱ったりする事はないだろうが、悲しそうな顔くらいはするかもしれない。 「顔しかないけどね………」 辛い道のりだ。 体がだるい。 それでも彼女は歩いた。 「来てくれるかな」 あの巫女さん、あまり里では功績が知られていないらしい そうした事もあって、ルーミアは目立つように、人里にわざわざ入り込んで、この主婦を襲った。 周りには人間もたくさんいたし、 妖怪の知り合いも見物させた 今頃は、大騒ぎだろう。 当然、妖怪退治屋としての巫女さんには連絡が行っているはずである。 ふわふわと、なるべくゆっくりと森の近くまで飛んできた。 今も、ゆっくりと歩いている。 「来てよ………私の前に……………」 ――――あんたは妖怪、こっちは一応人間だから 詰まる所、それが全てかもしれない。 あの夜、ゆっくりれいむと会い、そして自分なりに考えた。 巫女さんにとって、自分は一体何なのだろうと。 も薄腰だけ広い視野で考えれば―――― この決して広いとは言えない幻想郷で、自分の役割とは何なのだろう? それをクリアしなければ、彼女と向き合える事はできないのではないだろうか? お互いがお互いの勤めを果たすのだ。 だから、ルーミアは今まで異常に自分から人を襲い、食らう事に決めた。 運命を受け入れ、 役を演じ、 人間や妖怪達が望むイメージを、自ら体現したつもりだ。 もう迷いは無かった。 恐らく、すぐに巫女さんは駆けつけてくるだろう。 いや、駆けつけてもらうために、まだ人間も殺していないし、こうしてゆっくりゆっくり歩いている。 恐らく、戦闘になるだろう。 そして、彼女は負けるだろう。 しかし、それが正解なのだ。 あの人間と繋がりをもてる最もシンプルで正しい形をとったつもりだ。 この捕まえた人間には悪いが、つまるところは性だ。仕方が無い 「殺してやる……… そして食べるから………」 一刻も早く、自分を退治しに来て欲しい。 自分はゆっくりと進むから。 相変わらず蒸し暑い。 ゆっくりゆっくり、 と呟いていると、あのゆっくりれいむの顔が思い浮かんだ。 改めて、自分の取った行動に何と言うか―――――思えば、随分他者の意見や都合を考えるように なってしまったと、ルーミアは自虐的に笑いながら歩んだ 了 【おまけ】 森も相当奥まで入り、神社までもう少し、という所でだった。 おそらく、妖怪退治をする人間特有のものなのだろう。 妖怪も種類によって、微妙に匂いが違う。 勿論、特に肉食の妖怪連中は人間の匂いの嗅ぎ分けに敏感である。 明らかに異質な人間の匂い 忘れるはず無い。 あの巫女さんが来ている。 気絶してる人間を地面に置き、ルーミアは自分自身の体を抱きしめずにいられなかった。 手心は加えてくれないだろうが―――全力で戦おう。 周囲にまだ濃度の低い闇を作り始め、戦闘態勢に入ると―――――― 「ゆっくりしていってね!!!」 後に立っていたのは 「妖怪さんですね!!! それじゃたいじさせていただきます!!!」 れいむではなかった。 ゆっくり…………何というのだろう? 緑の髪と、蛙のような髪留めに、白蛇のようなものが絡み付いている、顔つきだけはれいむにそっくりの 生首である。 確かこのモデルは…… 「あらあら………」 同様に、現れた者がいる。 巫女さんと間違えたのは、この者の匂いだった。 名前は忘れた。確か、山の麓ではなく奥にある神社にいる人だ。 「あ、さなえお姉さん!!! 妖怪さんがここにいましたよ!!! 早くたいじしましょうね!!!」 「本当に、まだこんな所をうろついていたんですね。随分ゆっくり移動してたんだこと」 「で、この妖怪さんはなにをやらかしたの?」 知らないで言ってるの? と、にっこり微笑みながら、山の神社の巫女さんは説明する 「この妖怪、いきなり農家の軒先に現れたと思ったら、 いきなり、馬2頭を殴り倒したかと思ったら 『いっけねー 人間襲って食い殺すつもりが、間違って馬の方なぐっちゃったー』 とかほざいて、今度はそこで倒れているおばさんを思いきり、巴投げで放り投げて気絶させて のこのこ自力で担いで逃げていったんです」 「………………」 「………………」 =========== お茶目さと 残虐性を 同時に表現したかっただけだった。 しかし――――見届けるようにと見物させていた妖怪達は、皆一様に彼女を非難した 「ルーミア………お前……」 「流石の俺達もそれはひくわ」 「ちょっとあんたの見方変える。ついてけないわ」 「そ………そうなのか? 何を驚いて………」 馬は死んではいないが、泡を吹いて倒れている。 「普通さあ、家畜殺すんなら、人間の方食わねえだろ」 「つーか、人間襲うんなら家畜はやめてやれよなー」 「…………」 純粋に、間違えた振り だったのに 「ったく、もう地下に潜っちゃった姐さんがこれ見たら何て言うか………」 妖怪達は、ルーミアの中に、更なる残虐性を見出したらしく、呆れて帰っていった。 人間達も――――同じ様に彼女を改めて冷酷な妖怪と見てくれただろうか? =========== 「バカだね………」 「ええ……… 本当に何を考えているか、妖怪は不可解です。 ゆっくり逃げてくれたおかげで、 ―――麓の霊夢さんも仕事をしないもんだから、農家の人達も、もう追いついてますよ」 ―――ここは、もう人間に包囲されている!!? ―――しかも、わざわざ山の神社の方に依頼が届くなんて、あの紅白の巫女さんの生活は大丈夫なのだろうか!!? 「まったく、ドジな妖怪さんがいるんですね!!! どうせ大してつよくもなさそうですよ!!!」 どうにも、ゆっくりれいむと比べてこのゆっくりさなえ?は、態度が悪い。攻撃的というか、言葉に棘がある。 しかし、れいむ本人が、「ゆっくりはモデルの一面を極端に強調した性格になってるか、正反対になってるか が多い」と言っていたから――――― この巫女さんは……… 「まあ、もっとも…………」 にっこりと………… あの鬼の様に強い紅白の巫女さんなら、まずやらないような暖かな微笑を浮かべ、 山の神社の巫女さんは、構えながら言った 「妖怪ども(こいつら)を、屠ってやるのに、そもそも理由なんて必要ありませんけどね」 言葉の意味を考えるのにちと時間がかかったが、思わず後ずさる。 目だけは凍りつくよう。 笑っていない。 「え……………え?」 その時だった 「そこまでです!!!」 茂みの中から――――――ゆっくりであることには違いないが、生首ではない奴が飛び出してきた。 モデルは――――名前は忘れたが、新参者だ。 確か、今までに無いほどの博愛主義者だとか―――― 「いけませんよ!!! 人間も妖怪も、本来は平等なのです!!! 無益な殺生は許せません!!!」 そこでルーミアは、ゆっくりさなえと見比べ、ゆっくりれいむの発言を思い出していた。 ――――れいむ達、ゆっくりの性格って、 正反対だったり、 ちょっとした特徴をやたら極端に広げちゃってるんだよね ルーミアは、とりあえず本能的にこの場を離れなければならない事を悟ったが、既に色々なものに囲まれている事に 気づいていた。 そして、巫女さんに会うがために遠回りな方法をとった自分を戒めて言った 「ゆっくりしすぎた結果がこれなのかー………」 ,,. ' "´ ̄`',-ー 、 ... ,r' ; --- 、 ヽ .. ,イ ,r' ( ヽヘ .. .{ | 人 ト ,ヽ !、 Y ', ... r(ゝ ((ノ,r=;,ヽノ_ノ.r;=;、\ ゙i) ) .... 「', リ. ! ヒ_,! ヒ_,! ) ) ! 、 人 .... ) ). ( (_''' ,___, '''_人 )( ) .. ( ハ ゝ ) ヽ _ン ( `(_ ( ... ノ .) ( >.., ______ ._イ) ( ) ヽ ... 〈/レル/レ/´ i l |レノルレノVルノ .... 了 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/19124.html
なせかへんかんてきないはいでんしよんMIX?【登録タグ な 乱数P 初音ミク 曲 曲な】 作詞:乱数P 作曲:乱数P 編曲:乱数P 唄:初音ミク 曲紹介 曲名は『なぜか変換できないハイテンションMIX?』(なぜかへんかんできないはいでんしょんMIX?) 4年前にうっかりと作品うpを作中で約束してしまったため、投稿せざるを得なかった曲。 PVは 乱数P のクロニクル的内容になっている。・・・まるで最終回のごとく(ry 歌詞 はじめは ひたすら 夢中で走る日々 歌声 聴くだけで 身体しびれた 高くて きれいな 女の子の声に 触れた 衝撃は 今も忘れない 思えば遠いとこまで 歩いてきたと気づいた 後ろを振り返え見れば 胸の底が熱くなる おれに声をくれた ボーカロイドよ、ありがとう これがもし無ければ おれはただの変態だった いつもの サイトで バカな歌を上げて 反応 見てるのが 楽しかったよ いつから なんだろ 数字を気にし出し もがいて 行くごとに 沈み続けたよ 伸びてる歌の真似して 無駄に早口にしたり サムネをエロいのにして 万策尽きたその時・・ おれは何を求め ボーカロイドを、使ったのか 答え忘れたまま 首をかしげ悩み続けた 新しい ブラウザ 立ち上げて とまった 数字を ただ見つめ F5を 押しても 意味は無い 焦りが 続いて うずくまる・・ なぜか数字が伸びない なぜか数字が伸びないーーー・・・・ などと 迷走しているうちに 4年の月日が過ぎた 後ろを省み気づく まんざらでもなかったと…。 無理に裏声出し キモがられたおれだけど ボカロが来てくれて 救われた気がするよ おれに声をくれた ボーカロイドよ、ありがとう これがもし無ければ おれはただの変態だった 愚痴を聞いてくれた おまいらに・・・ ありがとう コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/c-atelier/pages/3058.html
実際に読む(リンク) 概要 レシピ追加 無 登場キャラ 初登場 サギギー 本編 86 登場 [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] 元ネタ解説 無 Recipe164 作品